ネットの記事でCeleronのパソコンは遅いってよく見かけるけど、安い新品ノートパソコンってほとんどがCeleronなんだよね。貧乏人はパソコン買うなってこと?
Celeronパソコンが遅いって言うのは基本的には正解!
ただ、使い物にならないかといえば必ずしもそうとは限らないよ
ていうか・・・そもそもCeleronって何なの?
Celeron(セレロン)とは何なのか
CeleronはパソコンのCPUという部品の一種で、CPUでパソコンの計算処理を行っています。
良いCPUが使われているほどできる作業の幅が広がります。
Celeronはインテルの公式サイトで以下のように紹介されています。
インテル® Celeron® プロセッサー・ファミリーは、手ごろな価格のエントリーレベルの PC やモバイルデバイス向けに、信頼できるパフォーマンスと価値を提供するよう設計されています。
引用元:インテル® Celeron® プロセッサー
簡単に書くと、Celeronはインテルが製造する「安いパソコン向け」に作られたCPUです。
(CPUには他に、同じインテルの上位CPUであるCore i5,Core i7や、AMDのRyzen、AppleのM1などがあります。)
パソコンの計算能力に大きく影響する部分で、「良いCPUであるほどパソコンはキビキビと動く」わけですが、Celeronはコストを抑える代わりに処理性能は低いというライトユーザー向けのロースペックなCPUです。
スマホも、高いスマホと安いスマホで反応の良さが全然違いますよね。安いスマホだとゲームを遊ぶのが厳しかったりします。
あれもスマホに搭載されてるCPUの性能差が大きく影響してるんです。
CPUについてはゆる〜く紹介した記事もあるのでチェックしてみてください。
「Celeronはやめとけ」は本当? Passmarkのスコアで比べてみる
どのくらい遅いのか具体的な数字で見てみましょう。
パソコンのCPU性能を評価できるものとしてPassmarkスコアというものがあります。
処理性能の全てを示せるものではありませんが、基本的には数値が大きいほど性能が高いと判断できる数値です。
下のグラフ画像はCeleronとそれ以外のCPUの一部を比較してみたものです。
(グラフ内のものはごくごく一部で、実際にはもっと多くの種類があります)
一般的に「パソコンを買うときはCore i5とかCore i7にしろ」なんて言われてますので、それらとも比較してみましょう。
結果は・・・
うわ、Celeronって遅い・・・けど同じくらいのCore i5もある?
そう、条件が変わるとCeleronとCore i5の差がほとんどないケースも出てくるんだよ。
「Celeronは遅い」とおおざっぱに認識してると意外な結果ではないですか?
グラフ内の上2つは比較的新しいCPUで、明確に性能が高いのが分かります。
対する3つ目以降の第3世代や第6世代のCore i5は5年以上前のCPUですが、Celeron J4155を比べると実は大差なかったりするんですよ。
登場時期が大きく影響していて、Celeron J4115の方が新しいから。
古いCore i5と新しいCeleronだと性能の関係が逆転する場合があるんです。
Celeronだってやるときはやるんです。
それでも「Celeronのパソコンは遅い」場合が多いワケ
新しいCeleronであればそこまで遅くはない。
・・・はずなのに、Celeron遅い遅いと言われてるのにはもちろんわけがあります。
そこまで遅くないのに、やっぱり遅いの・・・?
そう。
そこにはCeleronパソコンの宿命とも言える事実が隠れてるんだ。
Celeronのパソコンは低価格路線の物が多いため、CPU以外の部品も安価な物が使われている場合が多いです。
メモリが4GBほどしかなかったり、ストレージがHDDやeMMCなどの安価で遅いものが使われていたりします。
実際、価格.comでCeleron搭載のノートパソコンを調べてみましたが、約半数が読み書きが遅いとされるHDDやeMMCでした(2021年4月時点)。
つまり、「Celeronも最近は実用レベルになって来てるけど、Celeronパソコンに搭載される他の部品が低性能なので遅く感じてしまう」というのが正しい理解となります。
実際の動作感はWi-Fiの森さんのこちらの動画がシンプルながら参考になるかと思います。
SSDが搭載されメモリが8GBなこともあってかサクサク動いていますね。
通常用途の範囲であれば問題ないことがイメージしやすいのではないでしょうか。
メモリやストレージに良い物が備わっていれば、Celeronでも実用的なものもあることがよくわかりますね。
さらに、Celeron N3450のパソコン(左:Passmarkスコア1948)と、Core i3-3120M(第3世代Core i3)のパソコン(右:Passmarkスコア1634)の起動比較も見てみましょう。
どちらもSSD搭載パソコンです。
全く違うパソコンなので起動画面に移るまでの時間に差ができてしまってますが、Celeronは遅いと言われてるほどの差は感じないのではないでしょうか。
ただし、最近のCeleronに限った話なので過信は禁物です。
また、いくらCeleronも良いものがあると言ってもネット閲覧などが普通にできるというだけでゲームなどは厳しいです。
Windows 10の寿命!古いCore i5よりCeleronの優位性が高くなった
2021年10月、Windowsの最新版Windows 11がリリースされました。
無料でWindows 11にはできるのですが、比較的新しいCPUでないとアップデートの対象にならず、古いCore i5はアップデートできない、新しいCeleronならアップデートできる、といったケースが出てきています。
以下はその見極めポイントです。これが全てではないですが参考にしてみてください。
【まとめ】自信がない人はCeleronは避けましょう
「新品の良い性能のCeleronでようやく普通に使えるかな」というものが実態です。
素人目には判別が難しく選び間違えると、先ほど触れたPassmarkスコアが1000を下回るものを掴んでしまうこともあるでしょう。
Celeronのパソコンを買うなら最低でも新品。
中古はリスク大。選び方に自信のない人は避けるようにしましょう。
おまけ情報
ノートPC向けCeleron性能比較表
気になってるパソコンのCeleronがどのくらいの性能なのか知りたいという方のため、ノートパソコンに搭載されがちなCeleronのPassMarkスコアを比較した表を作りました。
参考値としてRyzen、Core iシリーズからもいくつかピックアップしました。
上位のものは最近(2021年11月)の人気モデルに搭載されてるPCからランダムに選んでいます。
※スコアはあくまで参考値です。パソコンの性能を決定づけるものではありません。
CPU | PassMarkスコア | 補足 |
---|---|---|
AMD Ryzen 7 5700U | 16224 | |
AMD Ryzen 5 5500U | 13196 | |
第11世代 インテル Core i7 1165G7 | 10614 | |
第10世代 インテル Core i5 1035G1 | 7770 | |
Intel N100 | 5578 | |
第10世代 インテル Core i3-1005G1 | 5148 | |
第7世代 インテル Core i7 7567U | 4229 | Windows11非対応 |
Celeron N5100 | 3135 | |
Celeron J4125 | 3013 | |
第6世代 インテル Core i5 6200U | 3026 | Windows11非対応 |
Celeron J4105 | 2906 | |
Celeron J4115 | 2700 | |
第3世代 インテル Core i5 3230M | 2525 | Windows11非対応 |
Celeron N4120 | 2494 | |
Celeron N4100 | 2450 | |
Celeron 6305 | 2211 | |
第2世代 インテル Core i5 2520M | 2239 | Windows11非対応 |
Celeron N3450 | 1928 | Windows11非対応 |
Celeron N4500 | 1882 | |
Celeron 3965U | 1626 | Windows11非対応 |
Celeron N4020 | 1567 | |
Celeron N4000 | 1396 | |
Celeron 4205U | 1334 | |
Celeron 3865U | 1255 | Windows11非対応 |
Celeron N3350 | 1127 | Windows11非対応 |
Celeronパソコン利用者の感想
以前、Celeronを搭載してるNAT-KU PCのプレゼント企画を実施しました。
その時の当選者様から感想コメントをいただきましたので紹介しておきます。
@yasupaso1 さんのプレゼント企画で当選して、パソコンいただきました!やったー!!
— にっしー (@noritetsu0910) July 15, 2021
Celeronだから遅いのかなと思いきや、SSD 256GBとメモリ8GB積んでるからかかなりサクサクでびっくり。
これで5万円切るのすごいなぁ。
大切に使わせていただきます。ありがとうございました😊 pic.twitter.com/ZBKwW2KxhI
ちなみにこのNAT-KU PCですが、無名のノートパソコンでありながらなぜか楽天で上位入りしている不思議なパソコンです。
気になったので以前レビューもしてますので気になる方はどうぞ。
Celeron N5100は超できる子。Chuwi GemiBook Pro 14inchレビュー
ChuwiというメーカーのGemiBook Pro[商品リンク]を購入したので色々試してみました。
Celeron N5100という良い目のCeleronが使われてますが思った以上に色々できました。
ただし、海外製なので注意点もあります。詳細は下記記事に書いてます。
Celeron搭載ながら実用レベル?天空の14インチノートパソコン
Celeron搭載パソコンの中で個人的に実用クラスだと思っているTENKU Slimbookをご紹介。
流通しているノートパソコン向けのCeleronとしては割と上位に位置するJ4115を搭載。
4万円前後でありながら、メモリ8G、SSD256GBと通常用途に必要な性能を備えた1台です。
新たに現れたIntel N100とは
最近のパソコンで、Intel N100というCPUを搭載したパソコンを見かけることがあります。
数字が小さくて頼りなさげに見えますが、これまでのCeleronの後継にあたるCPUで、その性能は第7〜8世代のモバイル用Core i5に匹敵する性能です。
ノートパソコンとしてはまだあまり出回っていないですが、下手なCore i5の中古パソコンを買うよりもストレスフリーに使えますので、低予算な方は購入の際の候補にしていくと良いでしょう。別の記事でも詳しく触れています。
Chromebookという選択肢
パソコンというとWindowsやMacという印象が強いと思いますが、他にChromebookという選択肢もあったりします。
お子さんのいるご家庭では学習用のノートパソコンがChromebookだった、なんてこともあるのではないでしょうか。
見た目はWindowsのパソコンとほとんど違いがありませんが、大きな違いとしてインターネットブラウザであるGoogle Chromeの利用に特化してるのが特長です。
できることは少ないですが、Windowsに比べると低い性能のパソコンでも快適に使う事ができるのでCeleronとの相性は抜群です。
ちなみに、WindowsやMacのアプリは使えませんが、Androidのアプリは使えたりします。
別の記事で実際にLenovoのChromebookを試してますのでそちらもご確認ください。
国内メーカーである富士通もChromebookを出してますので徐々に身近になっていきそうな存在です。
コメント
難しい問題なのですが、画面が出るのが、遅いのは 苦痛ですが、CPU のせいばかりでは、ないですね HD とかを SSD にすると 画期的に 早くなりますので こんな 方面も 影響あります 差し替えが、できるといいのですが、で 家では、できれば、自作パソコン で あれこれ 差し替えていくと わかりますね マザボも CPU に対しては、結構 オールマイティ ですから いろいろ 試せますし メモリーも 早くできますし すべて 金次第の感じです
高島さん、コメントありがとうございます。
そうですね。パソコンの速さというとCPUばかりが注目されますが、HDDとSSDでは大きく違いますし、SSDの規格によっても差が出てきます。確かに家でしか使わないのであれば自作のデスクトップPCなども視野に入れるのは良いですね。
お金が無制限に出せれば悩むこともないのですけどね、、、
Celeron、メモリ4GB、HDDだとネット閲覧すらストレスかかるレベルなんだよなぁ。
家電量販店行くと平気で7万8万とかで売ってて闇を感じます。
Celeronはライトユーザー向けって風潮は本当に良くない。
Celeronはちゃんと理解して、わかった上でそれでも選択する人向けであって、ライトユーザー向けでは決してない。むしろヘビーユーザー向けだと思う。
大概の人はCeleron + SSDで解決するはず。
結局はSSDか否かです。
i7 10世代(2020年頃)だからと言ってHDD仕様だとwin10 or 11動かすには無理がありますからね。
まぁ今量販店でHDD仕様はほぼ見かけなくなりましたけどね。
爺様、コメントありがとうございます。
おっしゃる通りSSDであるかどうかはかなり重要です。
登場初期は寿命がネックとされていましたが、大容量・高品質化に伴いそれも気にせずに済むようになりました。